介護保険制度とは?おさえておきたい基本とポイント

日本は現在、世界一の長寿国として超高齢化社会となっています。寿命が長くなってくると自然に介護状態になる可能性は増えてきます。

長寿自体は喜ばしいことなのですが、介護を必要としない健康寿命を延ばすことが今後は国にしても企業にしても個人にしても求められてきます。

日本では今から20年前の2000年4月から公的な介護保険制度がスタートをしました。

介護と聞くと自分に関係ない、自分には先の話と思う方も多いかもしれませんが、高齢化が進んでいる日本社会で生活をする上では、介護をされる側・介護をする側として介護の知識が今後はますます重要になってきます。

今回は公的介護保険制度についてご紹介をいたします。

■公的介護保険制度とは?

日本の介護保険制度は、繰り返しになりますが2000年4月からスタートをしました。

被保険者は40歳以上の方で、介護が必要になると認定をされた上で、介護サービスを受けることができます。

費用は、その方の所得に応じて1割~3割の負担となり、健康保険のように自己負担を少なく介護サービスを受けることができます。

■2種類の被保険者区分

被保険者の種類は、65歳以上と40歳から64歳で分かれており、65歳以上の方が第1号被保険者となり、40歳から64歳の方が第2号被保険者となります。

この被保険者の種類によって、介護サービスの利用条件が異なります。

第1号被保険者

第1号被保険者は、要支援・要介護状態になった原因を問わず、介護認定を受けた上で介護サービスを受けることができます。年齢も65歳以上なので今後、介護が必要になってくる年代と言えるでしょう。

第2号被保険者

第2号被保険者は、特定の条件で要支援・要介護になった場合にのみ介護サービスを受けることができます。

特定の条件とは、16種類の疾病にかかった場合で、末期ガンや初老期における認知症、関節リウマチなどが該当します。

残念なことにこの16種類以外の病気や事故が原因の場合には介護サービスを受けることができません。

■介護保険料はいつから?

介護保険料はいつから、どのように支払いをするのでしょうか?

第1号被保険者は65歳になった月から支払いが発生します。原則は年金から天引きです。

第2号被保険者は40歳になった月から健康保険料一部として支払いが開始します。

2000年の介護保険制度から保険料の計算方法も変わっており、今後増加してくる医療介護費用の関係で保険料も増加していくことが考えられます。

■介護保険で受けることができる介護サービス

介護保険を利用した介護サービスにはどのようなものがあるのでしょうか?

介護サービスは要支援1・2と認定された方と要介護1~5に認定された方でそれぞれ異なります。

要支援1・2と認定された方は、介護予防サービスを利用でき、名前の通り予防が中心となります。

要介護1~5と認定された方は、介護サービスを利用することができます。

介護サービスは、居宅サービス・地域密着型サービス・施設サービスに分けることができます。

ここではもう少し詳しくご紹介をしていきます。

ケアプランの作成

在宅での介護を希望する場合、居宅介護支援事業所などに申し込みをするとケアマネージャーに相談することができます。

ケアマネージャーと一緒にケアプランを作成して介護サービスを受けることができます。

ケアプランの作成はサービスを受ける上で必要なことで自分で作成をして介護サービスを申し込むことはできません。しっかり実情と希望が伝わるように相談をするようにしましょう。

居宅サービス

実際に自宅に訪問をしてくれる介護サービスです。

訪問介護、訪問リハビリテーション、訪問入浴介護などがあります。

また自宅から通うサービスや、住宅改修など介護環境を整えるためのサービスもあります。

介護サービスを受けている人の内、7割~8割の方が居宅サービスを受けています。

地域密着型サービス

市町村が事業者や施設の監督を行って住み慣れた地域で介護サービスを受けられるようにしています。地域密着型通所介護・夜間対応型訪問介護・定期巡回などの介護サービスがあります。

施設サービス

施設に入って介護を受けることができるサービスです。現在、4つのタイプがあり、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院があります。介護療養型医療施設は2033年度末での廃止が決まっています。

■介護サービスを利用するには?

介護サービスを利用するためにはどうすればよいのでしょうか?

介護サービスを受けるためには介護認定を受ける必要があります。

地域包括支援センターや市区町村で申請をすることができ、介護認定審査会が審査を行います。

原則として30日以内、1か月程度で審査の結果が通知をされます。

要介護認定には有効期限が存在しており、その期間は12か月です。

その後は期限がくる前に更新を行っていかなければなりません。

また介護の認定区分が変更になるような変化があった場合(区分以上に介護度が悪化した場合など)は、変更の申請をすることも可能です。

■介護サービスを受けるまでの流れ

認定後は認定の内容によって変わってきます。

要支援1・2と要介護1~5で異なっており、要支援1・2の場合には介護予防のための計画を策定してもらいます。

要介護1~5の場合は、自宅で介護サービスを受けるのか、施設に入るのか出変わってきます。自宅で介護サービスを受ける在宅介護を受けることを希望する場合には、ケアマネージャーに相談をして介護のプランを作成をしてもおらいます。

施設利用を希望する場合には施設への申込をおこないます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は介護保険制度と介護サービスの簡単な概要についてお伝えをしました。

今後日本はますます高齢化が進んでいきます。

医療費と同様に介護費用の国庫負担額も増加してくるため、自己負担額の増加が予想されます。

事前に介護保険の仕組みやサービスについて知っておくことで準備を進めることができます。

自分にはまだまだ先の話とは思わずにしっかりと準備を進めていきましょう。

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