あなたの家はしっかりと生命保険には入っていますか?
生命保険に関わるような仕事をしているとちょっとした場で「自分の家の保険が本当に正しいのか不安」とおっしゃってくる方が多くいらっしゃいます。
こんな時は大抵「そもそも保険に入っているかわからない」「どんな保険に入っているかわからない」という回答をいただきます。
このような状況だと不安に感じて当然です。
わからないことに対しては良いも悪いもつけようがないので、しっかりと理解するようにしましょう。
今回は、「夫の生命保険を理解してる?夫へのおすすめの保険種類は?」です。
■まずは夫に起きるかもしれないリスクを考えよう
まずは生命保険は何のために入るのかという点から考えていきましょう。
他の商品やサービスだとしっかりと目的を持っている方が多いのですが、生命保険になると突然「お守りがわりに」「とりあえず入らないといけないもの」という認識の方が増えてしまいます。
生命保険は、「あなたに死亡や病気などの不測の事態起きた時にお金の面で困らないようにするための金融商品」です。
つまりあなたにどのようなことが起こる可能性があるのか?そして、起こった時にどのような金銭的なリスクがあるのか?を考えないといけません。
この記事では4つのリスクについてお伝えします。
死亡
生命保険の一番基本的なニーズです。
あなたの夫が病気や事故で亡くなってしまった場合に、残された方はお金の面で困ることはないでしょうか?
夫が一家の大黒柱である場合には、亡くなることによって収入源=生活のためのお金が絶たれてしまいます。
遺族年金や現在の貯蓄なども考慮をして足りない場合には生命保険を活用した方が良いでしょう。
病気
あなたの夫が病気になった場合、医療費で困ることはないでしょうか?
日本では国民皆保険制度が取られているため全ての国民が公的な医療保険に加入をしており、1割〜3割の自己負担で医療サービスを受けることができます。
しかし、医療関係の費用には公的医療保険が対象とならない費用であったり医療費とは直接関係ない費用も発生します。
特にまとまったお金がない方は医療保険を活用して病気に備えるようにしましょう。
老後
金融庁の2,000万円問題で多くの方の関心を集めている話題が老後の資金づくりです。
ファイナンシャルプランナーの間では、老後の資金を年金で全て賄えないというのは計算をすればわかるので当然と言えば当然なのですが、やはり国から言われると重みが違います。
現在は長寿化が進んでいるため老後のために蓄えるだけでは厳しくなる可能性もありますが、老後に必要なお金を計算して早い段階からお金を貯めていかないといけません。
介護・認知症
ここ数年注目が集まっている分野です。
高齢化・長寿化により介護サービスを必要とする方も増加をしています。
2000年から公的介護保険の制度がスタートしていますが、医療保険と同じように自己負担分については対策しておかないといけません。
特に80歳以降では認知症になる確率が40%以上と半分以上になっているため今後、大きな問題になる可能性がある分野と言えるでしょう。
■現状の加入状況を確認しよう
夫にどのようなリスクがあるかがわかったら現状の保険を確認しましょう。
この場合、保険証券(保険契約をすると保険会社から発行される証明書)を準備して保険の専門家やファイナンシャルプランナーに相談をするのが確実ですが、最初はハードルが高いかもしれません。
ご自身で確認をするのであれば、詳細についてではなく大きく捉えて確認をするようにしましょう。
例えば、病気というリスクには備えないといけなという場合には、医療保険にそもそも入っているかを確認しましょう。
入っているのであれば細かな契約条件は置いておいて主の保障としてはいくらあるかを確認しましょう。
例えば、入院をしたら1日1万円と手術で10万か・・・などなどです。
生命保険は各保険会社で商品開発競争が進んでおり、保障が充実化しています。
それによって素人では非常に把握が難しくなっているため、いきなり全てを確認しようとすると嫌になってしまう可能性があります。
また何でもかんでも見直しをした方が良いわけではありません。
現在入っている保険で今も使えるものがあることが多く、見直し=全てを変える訳ではありません。
■必要保障額を計算しよう
夫が抱えているリスクが把握でき、現状をつかむことができたら順番にそのリスクをお金に換算していきましょう。
必要保障額は各個人の状況によって異なるため、年齢や性別・職業で特定の金額を提示することができません。
現状を踏まえて計算をしていく必要があります。
詳細についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>40代男性にはこんな生命保険の入り方がおすすめ
必要保障額は『(夫に万が一のことがあった場合に残された方が必要となるお金)−(残された方が持っている、稼ぐことができるお金)』で計算をすることができます。
残された方が必要になるお金には、「生活費」「教育費」などがあります。
持っている、稼ぐことができるお金には、「貯蓄」「残された方の給料」「遺族年金」「夫の勤め先の福利厚生」などがあります。
■病気やガンでかかる費用を計算しよう
次に病気やガンになった場合にかかる必要について考えてみましょう。
前述をした通り日本は国民皆保険制度をとっており医療サービスは一部の自己負担で受けることができます。
しかし、国民健康保険や健康保険などの公的医療保険には対象外となっているものがあります。
対象外となっているものの内、しっかり備えておきたいのが先進医療です。
先進医療は、厚生労働大臣が指定をした高度な医療技術を用いた医療サービスで公的医療保険が適用されません。
ガンの治療に効果的な重粒子線治療などは、1回数百万という費用がかかるため保険を活用しないとほとんどの方は受診の検討すらできないでしょう。
また先進医療だけでなく、病院の差額ベッド代や食事代などは別に負担をしないといけないため医療保険を活用することを検討しましょう。
■老後にかかるお金を計算しよう
老後のお金を考えるときに、総務省の家計調査報告などを参考にして月額25万などあった方が良いという内容を見ることがありますが、これはあくまで参考にしかなりません。
生活スタイルは人それぞれ異なっており、全ての方がこの金額になる訳ではありません。
自分の老後をしっかりと考えて月にしていくらぐらいお金がかかるのか、仕事は続けられるのかなどを考慮して検討をする必要があります。
老後のお金に関しては、保険も貯蓄として活用をすべきですが投資も必要になってくるため当サイトの「投資カテゴリー」を読んで勉強をしてみてください。
■介護・認知症でかかる費用を計算しよう
介護や認知症も今後は対策が必要になってきます。
2000年から公的介護保険がスタートをし、医療保険制度と同じように自己負担1割〜3割で介護サービスを受けることができるようになりました。
しかし、今後は高齢者の増加に伴って在宅介護の割合が増加するため介護サービスが適用されない部分については準備をすることが必要になります。
こちらも当サイトの「介護カテゴリー」を読んでみてください。
■オススメの保険種類は?
実際におすすめの保険種類についてご紹介をいたします。
ここで紹介する保険種類が一番良いという訳ではありませんので、参考としてお読みください。
あくまで状況や希望によって選ぶべき保険種類は変わってきますので、ご了承いただきたいと思います。
万が一のための収入保障
夫に万が一のことがあった場合に一番気になるのが毎月の生活費でしょう。
食費は?毎月の支払いは?と色々と考えることもあると思います。
必要保障額を計算すると3,000万〜4,000万ほどになる方が多いのではないかと思いますが、この金額で生命保険を準備しようとすると保険料が結構な金額になることがあります。
保険料の負担も抑えたいという方は、収入保障保険を検討してみてください。
収入保障保険は、月額20万・65歳までという設定をすることができる保険で合理的に保障を準備することができます。
生活費は時間の経過とともに減少します。
収入保障保険は、その減少に合わせて同じように減少するので保険料が安くなるのです。
もう少し詳しく説明をすると仮にあなたの家庭に必要な月額が20万で10年分だけだとします。
そうすると現時点で必要な金額は、20万×12ヶ月×10年=2,400万になります。
仮に5年間何もなく経過をした段階で再度計算をすると、20万×12ヶ月×5年=1,200万と半分まで減少をしています。
収入保障保険はこのように逆三角形の形をした保険で、合理的に割安で保障を準備することができます。
病気になった時のための日額1万円の医療保険
次に病気なった時のための医療保険について考えてみましょう。
基本的には健康保険などがあるため医療費自体は大きくかかることはありません。
しかし、入院をするときに個室を利用するのであれば平均して1日当たり6,000円前後かかります。
また1日に食事代や雑費などもかかり、さらにはお見舞いのための費用もかかるでしょう。
そして前述した先進医療などを受けるとなると数千万円もの技術料が必要になります。
これらを考慮すると、日額10,000円で先進医療をカバーできる医療保険が必要だと言えるでしょう。
老後のための貯蓄系の保険
老後に毎月いくらぐらい必要なのかをシミュレーションをする必要があります。
老後の貯蓄の方法としては、預貯金だけでなく401Kや投資信託など様々なものがありますが、貯蓄系の保険も一部取り入れると良いでしょう。
将来、解約して解約返戻金を受け取るまでは保障を確保することができます。
保障額としては大きくはないかもしれませんが、必要保障額の一部を担ってくれるだけでも良いと思います。
また保険はしっかり支払いを続けていけば確実に一定の金額を貯めることができます。
老後の資産作りの一部として、年金保険や終身保険などを検討してみましょう。
ご両親の介護に備えて介護保険・認知症保険
現在、要介護認定を受ける人の数が増加をしており、今後も増えていくと言われています。
ここ数年で各保険会社から介護保険・認知症保険が販売されています。
公的介護保険制度もあるため全てを準備する必要はありませんが、70歳以上のご両親の方がいらっしゃる方は対策をするようにしましょう。
こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。
このシミュレーションから考えると、介護のために最低でも100万、多くて500万ぐらいを蓄えておくと良いでしょう。
民間の介護保険などで準備をしても良いし、貯蓄などで準備をしてもいいでしょう。
■ライフイベント時は見直しを必ずしよう
様々な状況に応じてリスクと対策をご案内してきました。
しかし、気をつけないといけないがこれはあくまでその計画を時の状況でしかないということです。
状況は日々変わっていきます。
ご自身の収入も変わるかもしれないし、医療保険や介護保険の制度が変わるかもしれない、民間の保険でもっと良い保険が出るかもしれない・・・
必ず定期的にチェックをするようにしましょう。
また大きなライフイベント(結婚や出産、住宅購入など)の時はいつも以上にしっかりと見直しをすることをお勧めします。
■最後に〜なぜ生命保険は不要と言う話になるのか?〜
いかがでしたか?
生命保険はどのようなリスクに対応ができるのか?を中心にご紹介をしてきました。
最近は生命保険の専門家自身が、「保険などいらない」と言う発言が増えているように感じます。
確かに一定の条件の方であれば不要なケースもあるため全ての方にとって必要な商品とは言えないでしょう。
しかし、世の中にはたくさんのリスクを抱えて、人それぞれがそれぞれの生活をしています。
リスクを煽りすぎる売り手側にも問題はありますが、リスク対策をするというのは誰においてもごく当然のことなのではないでしょうか?
また生命保険を儲かる、儲からないで考える方もいますが、生命保険は投資ではなく保険です。
保険はリスクを回避するのが目的で儲かるかどうかは二の次です。
投資と保険をしっかり分けて、面倒くさがらずにご自身とご自身の周りの方を守ることができるように対策をするようにしましょう。