介護にはお金がかかると言われていますが、実際にどのくらいの費用が必要なのか分からない方は多いですよね。
かかる費用についてはケースバイケースな部分もありますが、概算金額を計算してみました。
今回は「介護費用の概算金額」についてです。
■介護は在宅と施設の２パターン
介護は一般的に自宅で行われる在宅介護と、有料老人ホームなどに入居する2つのパターンに分けられます。
もし10年間介護を受ける場合には、ざっくりとした計算で在宅介護では600万円以上、有料老人ホームでは1,800万円～3,050万円ほどかかると言われています。
在宅介護では大きくデイケアやホームヘルパーなどの介護サービスにかかる費用と、リフォームやおむつ代といった介護サービス以外にかかる費用の二つに分けられます。
■介護費用の月平均値
介護サービスは年収や要介護度によっても異なりますが、平均値を見ると月々16,000円ほどかかります。
介護度が高くなればそれだけ費用負担は増え、最大月々21,000円ほどかかることもあります。
■介護サービス以外の費用
介護サービス以外の部分では、やはり介護度が高まると医療費や税負担、さらにおむつなどの介護用品費用が嵩んできます。
介護度が低い方で月々25,000円ほどですが、介護度が高くなると月々54,000円ほどかかってきます。
■月々の合計費用は？
介護サービスと介護サービス以外の費用を合計すると、要介護度が低い方で月々33,000円ほど、要介護度が高い方で月々74,000円ほどがかかり、そのほかに食費や居住費などが必要となってきます。
介護施設の費用
有料老人ホームは居住環境やサービス内容によって費用負担は大きく変わってきます。
特別養護老人ホームの場合には、月々の費用は89,000～129,000円ほどになります。
手厚い介護が実施される施設では別途介護サービス加算が発生するため、150,000円ほどかかると考えておくとよいですね。
この費用の中には食費や居住費、介護サービス込みの価格となります。
高齢者が住みやすい賃貸住宅として人気が高いサービス付き高齢者向け住宅（サ高住）の場合は、月々150,000～200,000円ほどかかります。
月々の利用料以外に入居一時金が数百万円ほどかかるケースもあります。食費や生活相談のための費用などは別になることも多く、利用料以外にも費用負担がかかることもあります。
■介護度によっては利用できない？
またサ高住の中には介護度が高くなると利用できなくなる施設もありますよ。
介護付き有料老人ホームはサービスの内容や居室の状態などによっても費用が大きく変わってきます。
入居一時金として数千万円の支払いが必要な施設もあります。
介護サービス自体にかかる費用は介護保険により自己負担額が1～3割で済みますが、その他の費用が施設により大きくかわります。
月々の支払は200,000～250,000円ほどとなることが多くなります。
仮に月々250,000円の支払いで、入居一時金として500,000円支払いが必要になると、10年間で3,050,000円が必要となる計算となります。
■備えておきたい介護
もちろん、上には上がありますので、さらに高い費用がかかるケースも考えられます。
費用面だけ見ると在宅介護は安く施設を利用すると高くなりますが、在宅介護では介護者の精神的負担や時間的拘束も起こります。家族がこれらの負担を負うことで、家族崩壊が起こる可能性があることを考えると、施設の利用を前向きに検討していきたいところです。
より高度なサービスを期待すれば、毎月300,000円を備えておけば安心といえますが、特別養護老人ホームの利用が叶えばその半額ほどの備えでも可能と考えられます。
公的年金収入がどのくらいなのかにより備えておきたい金額にも違いが出てきますが、介護費用の備えを十分に行っておきたいといえますね。