家計費の中で削りたい項目といえば生命保険です。
生命保険は万が一のことが起こらない限りは保険料を支払っているだけという商品であるため、どうしても家計チェックをすると削りたくなってしまう支出です。
しかし「保険」ですから万が一に備えている商品であるためバッサリ切り捨ててしまうのも怖い・・・
なんとか格安で準備はできないかな・・・
今回はこのような方への生命保険を格安で入るための考え方と方法をお伝えいたします。
■掛け捨てという考えは間違えている?
まずはよく使われる「掛け捨てはもったいない」という考え方はやめましょう。
当サイトでもわかりやすいため解約をするとお金が戻ってくる商品を貯蓄性商品・貯蓄型商品と呼び、戻ってこない商品を掛け捨てと書いていますが、実際には保険料を捨ててはいません。
掛け捨て型の商品は、一定期間の保障を購入しています。
1年でも、5年でも、10年でもその期間はしっかりと保障がされているのです。
掛け捨て型と貯蓄型はどちらが良いと言う訳ではなく、それぞれ特徴があります。
掛け捨ての特徴についてはこちらの記事をよければどうぞ。
■保険料の仕組み
保険料を安くしたいと言うのですから、まずは保険料の仕組みから見ていきましょう。
保険料は各保険会社が適当に決めている訳ではなく、死亡率・予定利率・事業費率と3つの要素が基本的には大きく影響しています。
死亡率と保険料の関係
生命保険は万が一のことがあった場合に遺族に保険金を支払う金融商品です。
誰かに不幸があれば保険会社はお金を支払わないといけないので、死亡率が大きく関係してきます。
仮に1年後に100万円を支払うという商品があるとします。
被保険者は100名としましょう。
この場合、死亡率が1%の場合は保険会社が1年後に支払う保険金は100名×1%=1人となり100万円ということになります。
ではこの100万円を用意するためには100名の被保険者から保険料をいくら貰えばいいでしょうか?
100万円÷100名=1万円となります。
では死亡率が5%ならどうでしょうか?
死亡率が5%の場合は保険会社が1年後に支払う保険金は100名×5%=5人となり500万円ということになります。
保険料は500万円÷100名=5万円となり、保険料が5倍になりました。
実際には保険会社の利益や他の費用なども関係してくるためここまで単純ではありませんが、死亡率はこのように保険料算出に大きな影響を与えているのです。
予定利率と保険料の関係
次に予定利率と保険料の関係を見てみましょう。
予定利率とは、保険会社があなたから預かった保険料(の一部)を運用するときの利率のことを言います。
当然、運用利率が高くなれば保険会社は運用益を得ることができるのであなたの保険料は安くなります。
逆に運用利率が低くなれば保険会社は運用益を十分に得ることができないのであなたの保険料は安くなりません。
現在のような金利情勢では高い予定利率を期待するのは難しく、円建ての保険商品だとあまりお金が増えないというのが現状でしょう。
事業費率と保険料の関係
保険会社は慈善事業を行なっている訳ではないので、会社の運営費用を保険料から捻出しつつ利益も出さないといけません。
保険会社の費用が高くなれば保険料は高くなるし、費用を削減できれば保険料は安くなります。
わかりやすいのは一般の生命保険会社とネット専業の生命保険会社です。
一般の生命保険会社は立派なオフィスを持ちたくさんの営業担当者や事務担当者を抱えています。
その分保険料は高くなります。
逆にネット専業の生命保険会社は、オフィスを一等地にする必要もなく営業担当者も必要ありません。
だから保険料を安くすることができます。
ただ実際には商品開発や企業体力などからネット専業より一般の生命保険会社の商品の方が安いこともあるのであくまで一例としてお考えください。
高額・長いは高い
3要素とは別になりますが、保険料を考える上で重要な点なのでお伝えします。
生命保険会社が保障する保険金の額が大きい、保険期間が長い場合には保険料は高くなります。
保険金が大きい場合には保険会社が万が一の際に支払う保険金が大きくなので保険料が高いというのはわかりやすいと思います。
では、保険期間が長いと保険料が高いのはなぜでしょうか?
保険期間を一番長くすると終身になります。
これはいわゆる一生涯の保障ということです。
一生涯の保障なのですから、保険を解約しない限りは保険会社は必ず保険金を支払います。
だから保険料が高くなるのです。
逆に保険期間が1年の場合はどうでしょうか?
年齢や状況によりますが確率論でいえば1年以内に人が亡くなる可能性が小さくなります。
亡くなる可能性が低いということは、保険会社が保険金を支払う可能性も低いということになります。
だから保険期間が短い場合には保険料が安くなるのです。
契約者側で自由に設定ができるのはこの保障額と保険期間なので、保険料が高いという場合にはこの2つをしっかり見直す必要があります。
■でも本当に必要なのは必要保障額の算定
ここまでで保険料が高い・安い理由がわかったのではないでしょうか?
では、保険料を格安にするためにはどうすれば良いのでしょうか?
それはしっかりと必要保障額・保障期間を算定することです。
保険料が高くなっている方は、すぐに違う保険会社・違う保険商品に走りがちです。
しかし、大事なのは本当に必要な金額と期間の商品を契約するということです。
仮に保障金額5,0000万で契約を考えていてい色々な商品を比較しても、そもそも5,000万円という保障金額の設定が間違えていたら商品等を比較する意味が全くなくなってしまいます。
必要保障額を算出するのはかんたんではありませんが、ポイントは「必要最低限を保険でカバーする」ということです。
世の中には残された家族が金銭的に豊かになってしまうほどの保険金を設定している方も多々います。
仮に5,000万円必要だとしても、日本には遺族年金があります、企業の福利厚生もあるかも?残された家族は自分で働いて稼ぐ可能性は?・・・と様々を考慮して最低限残された方達が困らない金額を設定する必要があります。
商品や保険会社を検討する前にしっかりと大前提を固めていきましょう。
■まとめ
いかがでしたか?
ミラクルな手法を期待した方々には大変申し訳ありませんが、基本的には保険を含め金融関係にはミラクルはありません。
数字をしっかり把握し、確率を考えて、必要な物を用意していかなければなりません。
大変なのは今この時点で最適な状態を作ったとしても、時間の経過とともにずれてきてしまうということです。
自分だけで全てを考えるのではなくプロに相談しながら人生設計を組んでみてはいかがでしょうか?