生命保険のおすすめが掛け捨てである理由 

生命保険にはたくさんの商品があります。現時点で40社以上の保険会社があり、各保険会社が5商品の取り扱いがあると、40社×5商品=200商品も存在することになります。

またテレビコマーシャルや雑誌、保険営業の方からの提案などで色々な商品があるということはお分かりの方も多いのではないでしょうか?

今回はその中で掛け捨て保険と言われている保険についてご紹介をしていきたいと思います。

掛け捨て保険は名前のとおり掛け捨てと言われているため、なんだか無駄な保険な感じがするということで嫌がる方も多いとは思いますが、生命保険の王道はこの掛け捨て保険なのです。

読み終わるころには「掛け捨て保険っていいんだな!」って思ってもらえるはずです。では早速ご紹介をしていきたいと思います。

■掛け捨て保険とは?

掛け捨て保険とは、保障がメインの保険商品のことを指す言葉です。

生命保険には解約返戻金がある貯蓄性のある保険種類(終身保険や養老保険など)があるのですが、掛け捨て保険はその解約返戻金が少額か無い商品の総称として使われている言葉です。

図:掛け捨てと貯蓄性商品

言い方を変えると必要な保障を安い保険料で買うことができる商品と言うこともできます。

イメージの悪い掛け捨てという単語が定着してしまっていますが、実際にはその期間の万が一の保障を買っているため掛け捨てではありません。しっかり保障を買っているという意識を持ちましょう。

ちなみにこの記事ではわかりやすさを重視しているので、掛け捨て保険という名称を使用しております。



■掛け捨て保険の代表商品

掛け捨て保険の代表商品とはどのような商品なのでしょうか?

代表商品をご紹介する前に、たくさんある生命保険を3つのカテゴリーに分類をしていきましょう。

世の中にたくさんある生命保険は、実はこれからご紹介するこの3種類にすべて分類することができます。

この分類は生命保険の募集をお仕事としてするための資格である一般課程試験という試験にも登場する生命保険関係者にとっては、常識中の常識となっています。

しかし、生命保険に関係しない方はなかなかこの3種類を教えてもらう機会がないため、「生命保険は商品数が多すぎてわからない!」となってしまっているのです。

その3種類とは、死亡保険・生存保険・生死混合保険です。

死亡保険とは?

死亡保険とはその名のとおり万が一のことがあった場合に支払われる生命保険の種類のことをいいます。保険種類としては、定期保険や終身保険などがあります。

定期保険と終身保険の違いは、その保険期間の長短です。

定期保険は短いものだと1年という期間だけという超短期間のものもあれば、、100歳等のほぼ一生涯の保険期間を設定できるものもあります。

終身保険は、その名前の通り保険期間が一生涯のものをいいます。

生存保険とは?

生存保険とは保険期間が満期の時に生存していた場合に支払われる保険種類のことを言います。この機能のみでの商品はほぼ存在がしていないとうのが実情で、実際には死亡保険と組み合わせて商品が提供されています。

年金保険などが該当します。

生死混合保険とは?

生死混合保険とは万が一のことがあった場合でも、保険期間が満了になって生きている場合でも保険金(死亡保険金と満期保険金のどちらか)が支払われる保険種類のことを言います。

養老保険という商品がこの種類に該当をします。

掛け捨ての代表商品は?

掛け捨ての代表商品は、先述にてご紹介した3種類の中の死亡保険に分けることができる定期保険です。

定期保険は保険期間を自由に設定できるため100歳等の長期にすると解約返戻金が貯まるので掛け捨てではなくなります。

ここではこの解約返戻金が少額か、または全く無い商品を掛け捨ての代表商品としています。

■保険料はいくらぐらいなのか?

掛け捨て保険の保険料はどのぐらいするのでしょうか?

男性・女性で、30歳・40歳・50歳で、保険金1,000万、3,000万、5,000万、保険期間10年としてネット上で試算できる保険会社で調べてみたところ以下のような結果になりました。

男性 保険金1,000万30歳40歳50歳
A社 1,068円 1,925円 4,217円
B社 1,050円 1,910円 4,160円
C社 970円 1,640円 3,290円
男性 保険金3,000万 30歳40歳50歳
A社 2,704円 5,275円 12,151円
B社 2,650円 5,230円 11,980円
C社 2,310円 4,350円 9,270円
男性 保険金5,000万 30歳40歳50歳
A社 4,340円 8,625円 20,085円
B社 4,250円 8,550円 19,800円
C社 3,850円 7,250円 15,450円
女性 保険金1,000万30歳40歳50歳
A社 846円 1,463円 2,686円
B社 830円 1,450円 2,680円
C社 920円 1,460円 2,520円
女性 保険金3,000万30歳40歳50歳
A社 2,038円 3,889円 7,558円
B社 1,990円 3,850円 7,540円
C社 2,160円 3,780円 6,960円
女性 保険金5,000万30歳40歳50歳
A社 3,230円 6,315円 12,430円
B社 3,150円 6,250円 12,400円
C社 3,600円 6,300円 11,600円

ちなみにC社は健康体割引が適用されています。

ここでお伝えしたいのはどこが一番安いかではなく、保険会社によって保険料がバラバラであるということです。

人間は誰しも「あの会社が安い!」とイメージがついてしまうとそこを頻繁に利用してしまいます。

でも実際には年齢帯や割引制度によっても異なるため専門家にしっかり相談をして検討をするようにしましょう。

■貯蓄性商品との比べると?

ここでは貯蓄性のある保険商品と比較をしてみましょう。

貯蓄性のある商品はお金が貯まる分、保険料が高くなっています。

生命保険のお金が貯まる機能というのは解約返戻金のことを指し、厳密には貯まるという言い方ではありませんが、わかりやすさを優先して貯まるという言葉を使って説明をしたいと思います。

貯蓄性のある保険商品の代表商品が、終身保険と長期平準定期保険(100歳満了などの保険期間が長い商品)です。

このどちらもお金が貯まる保険商品です。

保険料はいくらぐらいなのでしょうか??


参考までに40歳男性、保険金1,000万、3,000万、5,000万の90歳満了の定期保険の保険料を調べてみました。

40歳男性 90歳満了定期保険料
保険金1,000万 10,274円
保険金3,000万 30,322円
保険金5,000万  50,370円

先ほどの掛け捨て定期とはかなり金額が異なります。

実際に40歳男性の10年定期と90歳満了定期を比較してみましょう。

40歳男性掛け捨て貯蓄性
保険金1,000万 1,640円 10,274円
保険金3,000万 4,350円 30,322円
保険金5,000万 7,250円 50,370円

このようにお金が貯まるか、貯まらないかによって保険料には大きな違いがでます。

■おすすめは保険の王道である掛け捨て保険

では掛け捨て保険と貯蓄性のある保険ではどちらが良いのでしょうか?

この点に関してはその方のライフスタイルや資産の状況、好みによって変わってくるため一概にどちらが良いとは言えないというのが実情ですが、基本的には現時点では掛け捨て定期をおすすめしています。

効率的に安い保険料で大きな保障ができるという点はメリットと言えるでしょう。

ただし、掛け捨て保険は保険料が安いですが、保険料は戻ってきません。この点はデメリットと言えます。

貯蓄性の保険は、保障を持てるのと同時にお金を貯めることができるため一挙両得のような商品となっていますが、現在はマイナス金利の影響で保険商品自体の商品優位性が少なくなっています。

しかし、保険料を支払えば確実に決まった金額を貯めることができるのでお金を貯めるのが苦手な人は検討をしてみてもいいでしょう。

基本的には掛け捨て保険を利用して当面のリスクを軽減しながら、NISAやiDeCoなどを利用して資産形成をし、資産ができたら保険は減額をしていくというのが良いのではないでしょうか?

何度もお伝えして申し訳ありませんが、人によって異なるためしっかりと検討をするようにしましょう。

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