自宅で介護を行うときに必要なものは要介護者の介護依存度によっても変わります。
住み慣れた自宅で少しでも快適に過ごすために、必要なものをみていきましょう。
今回は「自宅介護で必要なもの、便利なもの」についてです。
■電動介護用ベッド
用意しておくとよいものとしては電動介護用ベッドがあります。
介護を受ける方の中には布団の方が寝やすいという方もいますが、介護用ベッドの方が介護しやすいでしょう。
ボタンを押せば上体を起こせる電動介護用ベッドであれば、起き上がるときに無駄な労力を必要としません。
電動介護用ベッドは福祉用具として介護保険を利用して低価格でレンタルすることも可能なので、用意しておくことをおすすめします。
■トイレ関連
自力での排泄を望み、寝室からトイレまでの距離が長い場合は、ポータブルトイレを用意しておくと安心です。
また足腰が弱くなっていくため、歩行が困難ではない場合でも、寝室からトイレまでの動線に手すりを設置しておくことも必要です。
手すりの設置は介護保険を利用し、介護リフォームとして補助が受けられます。
ポータブルトイレは性質上レンタルできないため購入する必要があります。
■入浴関連
自力での入浴や家族の介助の上で入浴が可能な場合には、座面が高いシャワー椅子を用意するとよいでしょう。
座面が高く体が安定した状態で身体が洗えます。
転倒防止の手すりや、浴槽の床に滑り止めを設置することも必要です。
就寝中や家族と離れているときに異変があった時に家族に知らせるためのブザーや呼び鈴も必要なものといえるでしょう。
ワイヤレスのものを用意しておけば、常に身につけておけます。
もし別居の状態で介護を行っている場合には、警備会社の呼び出しブザーを活用するのもおすすめです。
■医療関連
介護と共に医療的ケアが必要になることもあるでしょう。
この場合は医療的ケアを行うための道具も必要なものとなります。
これらは在宅医療を担う医師や看護師、在宅看護ケアを行うスタッフの方と相談をして用意します。
普段休むベッドの周りに電源が必要になることもあるので、電源の確保ができるかも確認しておきましょう。
■歩行関連
歩行が困難になってくると車椅子や歩行器が必要となってきます。
車椅子や歩行器は福祉用具としてレンタルが可能です。
スムーズに利用するためにはスロープの設置や出入りしやすい部屋への寝室の移動などが必要です。
■食事関連
手や足に徐々に力が入れにくくなるだけではなく、口元の筋肉も衰えていきます。
そのため、食事の際には食べこぼしをする率も高まってきます。
食事のたびに衣服が汚れると介護を担う方の負担になるため、食事用エプロンを用意しておくとよいですね。
また、お茶碗やお椀なども持ち手が付いているものを用意しておくとよいでしょう。
滑りやすいコップではなく滑り止めが付いたものや、マグカップなど持ち手があるもの、できるだけ軽いものに変えていくこともおすすめです。
箸を使うことが難しくなってきたら、スプーンやフォークを用意しましょう。
また、介護用のスプーンやフォークには持ち手が付いたものもあります。
これらを活用してできるだけ自力でできることを増やすことも必要といえるでしょう。
■少しでもお互いの負担を減らすのがポイント
自宅での介護では、介護を受ける人も介護を担う人も施設での介護に比べ負担が掛かります。
お互いに少しでも負担が軽くなるよう、日ごろからコミュニケーションを図ることも必要なものといえます。
介護も終盤になると緊急時の対応も視野に入れる必要がでてきます。
自宅の見えやすい場所に、緊急連絡先を掲示することも必要です。
連絡が付きやすい家族の携帯電話番号、主治医や訪問看護ステーション、ケアマネージャーなどの電話番号の一覧を作成しておきます。
自宅での介護で必要になるものは状態により様々です。その都度ケアマネージャーと相談をして揃えると無駄や不足がなくなりますよ。