お金は妻が管理するもの、というイメージが根強いですが、共働き世帯が増えている現在、夫婦両方で管理する、あるいは夫が管理するのも重要な選択肢となっています。
夫は働いて稼ぎを黙って専業主婦の妻に渡し、妻は家計を管理したうえで夫にお小遣いを上げる…そんな基本的な管理の形が多様化しているとも言えます。
では家計を関するのは夫婦どちらがよいのでしょうか?
今回は「夫婦でどちらがお金を管理するのか?」についてです。
■妻がお金の管理をするメリット
もちろん「こっちの方がよい」というはっきりとした答はなく、それぞれメリット・デメリットがあります。
最終的には自分たちに相応しい方を選ぶことになるのでしょう。
では従来のイメージ通り妻が家計を管理する際にはどんなメリット・デメリットがあるのか?
食費をはじめとした日常の出費は妻が管理していることが多いため、無駄な出費を節約したうえで現実的な視点で管理できるのが最大のメリットです。
日ごろ妻が買い物をしている家庭なら家庭生活にどれぐらいお金がかかるのか、実情を知っていますから、それに見合ったやりくりを行っていくことができるのです。
後述しますが夫が家計を管理している場合、そうした実情を見ずに理想論だけで「食費はこれぐらいに抑えた方がよい」とな現実的ではない対策を考えてしまう傾向が見られます。
■妻がお金の管理をするデメリット
一方デメリットとしては妻の経済感覚に左右されてしまう面があります。
買い物など日常的な出費をする機会が多い人が家計を握るわけですから、金銭感覚がしっかりした人なら節約しやすい一方、浪費癖がある人、金銭感覚が家庭の家計に見合っていない人の場合ついつい使いすぎてしまうわけです。
夫が家計の状況を把握できていないままそうした状況になっていると、知らず知らずのうちに無駄遣いを重ねてしまうことになりかねません。
もうひとつのデメリットは夫に不満やストレスがたまりやすい点が挙げられます。
妻の視点でお小遣いの額を決めて渡す形になることが多く、夫が自由に使えるお金がない分ストレスをためてしまうのです。
夫が日常的にどんな出費をしているのか、付き合いなども含めて出費がどれぐらい必要なのかをよく考慮せず、単に家庭の生活費に合わせてお小遣いの額を決めてしまうと夫のプライベートが成り立たないような状況になってしまう可能性も出てきます。
■夫がお金の管理をするメリット
一方夫がお金を管理するメリットは将来のビジョンを見据えたうえでの管理ができる点が挙げられるでしょう。
将来的に昇進・昇給なども踏まえたうえで毎月どれぐらい貯蓄すればよいのか、出費をどれぐらいに抑えればよいのかを決めやすくなります。
また先述したように妻の金銭感覚に難がある場合、夫が管理したうえで「一か月の生活費はこれぐらいに抑える」と決めておけば無駄な浪費を避けることができます。
■夫がお金の管理をするデメリット
デメリットは先ほども少し触れましたが、生活費の実情を知らないまま管理してしまう傾向が見られます。
買い物をする習慣がない夫の場合、実際に一か月にどれだけ必要なのかをよくわからないまま理想論だけで一か月の予算を決めてしまうわけです。
ちょうど妻が管理するときに夫のお小遣いの金額を低く抑えすぎてしまうのと同じ問題が起こるわけです。
妻としては必要なものがあるのにお金を渡されていないので変えない、という現実的な悩みが生じることになります。
■環境に合わせて選択を!
ただし、こうした夫婦いずれかがお金を管理する際のメリット・デメリットは家庭環境によって大きく左右されます。
例えば共働き世帯の場合は両方の収入をよく把握したうえで管理していく必要も出てきます。
それぞれの職場での付き合いでの出費も増えてきますから、一方が管理して相手にお小遣いを渡すという形ではうまく行かなくなるのです。
これまで挙げてきたメリット・デメリットも踏まえたうえで結論を出すとすれば「家庭環境に合わせて理想的な形を決める」という少々ありきたりな結論になってしまうでしょう。
金銭感覚がしっかりしている奥さんなら妻が管理した方がよいですし、生活費に関する感覚もしっかり持っている夫ならこちらが管理した方がよいかもしれません。
共働きの場合は項目ごとに役割分担して管理する方法もあるでしょう。
主に買い物を担う方が生活費の管理をし、ローンや保険料などの管理は別の方が行うなど。
いずれにしろ夫がこれまで以上に積極的にお金の管理にかかわる必要があるのは間違いないかもしれません。