インターネットは現在では生活に欠かすことができないインフラとなっています。
現在ではネットで買い物ができ、ネットで銀行振込できて、ネットでエンターテイメント動画などを楽しむことができます。
同じように生命保険の業界もインターネットの影響を受けています。
商品の比較はネット上で簡単にできるようになり、また商品だけでなく保険会社や販売代理店の評判なども確認をすることができるようになっています。
今後ますますネット化が進んでくるでしょう。
今回は、インターネットの普及とともに誕生したネット型生保についてです。
■ネット型生命保険とは?
2008年にライフネット生命が開業をしたのをきっかけにネット型生保は非常に注目を集めました。
インターネットで保険料を調べて簡単に契約ができる!しかも保険料が安い!ということで評判になり、契約件数は一気に増加をしました。
対面で募集をしている生命保険会社からは脅威と感じられ、このままネット型生命保険会社がどんどん成長するのでないか?という意見も少なくなかったと思います。
でも、10年以上経った今も生命保険業界の勢力図には大きな変化はないように感じます。
一体何が起こったのでしょうか?
■ネット型生命保険の推移
ライフネット生命の契約推移を確認すると2008年に5,000件だった契約件数は、2013年には200,000件にも増加をしています。
5年で40倍にまでなっています。
このままさらに成長するのか?と思われていましたが、その後契約件数の増加は鈍化し、2019年に300,0000件を突破しました。
7年で1.5倍程度なので大きく成長をしているとは言いにくいかもしれません。
では、なぜこのような推移になってしまったのでしょうか?
■ネット型生命保険のメリットとデメリット
ネット型生保の推移が鈍化した原因にはデメリットが大きな影響を与えていると考えられます。
メリットとデメリット、両方を確認していきましょう。
メリット
保険料が安い
ネット型生保はインターネットのウェブサイト上で契約が完結するため、営業職員や代理店に給料や手数料を支払う必要がありません。
また高額なオフィスを用意する必要もないため、運営経費を大きく下げることができます。
生命保険の保険料は、予定利率・死亡率・事業費率の3つから構成されており、ネット型生保はこの中の事業費率=運営経費が少ないため保険料を安くできるというメリットがあります。
手続きが簡単
生命保険のデメリットの一つに手続きが面倒、営業の人に会いたくないというものがあります。
ネット型生保であれば、ウェブ上で手続きができるし、時間や場所を合わせて人に会うという手間も省くことができます。
また押し売りされるという心配もないため、大きなメリットであると言えます。
デメリット
いくら入れば良いのかわからない
ウェブ上で自分で商品を選択し、必要な保障額も自分で設定をしないといけないため生命保険やその他周辺知識に明るい人でないといくら入れば良いのかを決めることができません。
設定する保障金額によって保険料も大きく変わるため、この点は大きなデメリットと言えるでしょう。
年齢によっては安くない
ネット型生保=保険料が安いというイメージをお持ちの方が多いですが、年齢帯によってはネット型ではない対面募集の保険商品の方が安い場合があります。
前述した通り、生命保険の保険料は予定利率・死亡率・事業費率の3つの比率から算出をされているため他の要素を加味すると他社の方が安いなどのことが起こり得ます。
また現在日本には40社以上の生命保険会社が存在しており、競争も激化しているため保険料はどんどん安くなる傾向になります。
認知がされにくい
現在ではテレビコマーシャルもたくさんやっているため認知度も上がっていますが、ネット型生保は認知されにくいというデメリットがあります。
対面募集の生命保険会社であれば、営業職員や代理店が自分の人脈を使い、さらに色々と工夫をして営業活動をしていきます。
その結果、保険会社や商品の認知度は高まり、保険の契約も増えてくるとことになります。
現在、ネット型生保はテレビコマーシャル等広告を使って認知度を上げてきていますが、広告費という経費が増えるとネット型生保の運営費用が低いというメリットに影響が出てくる可能性があります。
■結局はどちらが良いのか?
ネット型生保と対面型の生保とどちらが良いのでしょうか?
少し前までは、生命保険の知識がある人はネット型生保、知識がない人は対面型生保が良いのではと思っておりましたが、感染症で3密を避ける生活が長引くことによって状況は変わってくるではないかと思っております。
新型コロナウィルスという感染症のせいで、本来は対面募集を必須としていた生命保険会社各社がネット上による対面を一部緩和してきています。
また大手生保会社によってはネット上で契約を完結できる仕組みもすでに持っており、ネット上で面談、申し込みを行える体制がますます広がってくる可能性があります。
そうなるとネット型、対面型という垣根はなくなり、いかに良い提案をして、利便性も高くして、良い商品を提供するかということが重要になってくるため、ネットだから良い悪いという話ではなくなってくるではないでしょうか?
まだまだ変わり始めたばかりで今後の動向を注視する必要があります。