家計が厳しいのでもっと節約したい…そんな時に真っ先に標的(?)になるのが食費です。
しかし一方でなかなか削るのが難しいのも食費。
自分たちの食費は多いのか少ないのか?減らすべきなのかそうではないのか?よく踏まえたうえでの節約術が求められます。
■食費の見直しは重要
一般的に家計に占める食費の割合が高い所帯は経済状況が厳しいと言われています。
人間が生きていくうえでどうしても避けられない出費でもあるため、食費が高い所帯ほど「生きていくのにどうしても必要な出費に収入が持っていかれてしまっている」状態ともいえるわけです。
とはいえ、現代社会では食費にぜいたくしすぎて家計を圧迫してしまっているケースも少なくありません。
とくに外食が多い、付き合いでの飲み会が多いなど食費と遊興費の区別がつきにくい環境も多く、こうしたケースでは節約する余地が十分にあるわけです。
言い方を変えれば減らせるところと減らせないところの見極めを行ううえでの食費の見直しが重要になってくるのです。
■家計費に占める食費の割合は?
世間一般では家計に対して食費はどの程度を占めているのか?
もっともわかりやすい例として総務省が発表した家計調査のデータを見てみましょう。
これは2018年に発表されたもので、2人以上の勤労者世帯の対象に支出のデータを平均化したものです。
それによると一か月の支出の全国平均は31万5300円。
それに対して食費は7万6100円となっています。
支出に占める割合は20~25パーセント程度といった水準となっています。
このデータをどう評価するかはまず自分たちの支出が全国平均と比べてどうなのかをチェックしたうえで食費の比率をチェックすることが必要でしょう。
全国平均よりも高い/低いのに対して食費がどの程度高い/低いのか。食費に占める割合が高いのか低いのかをチェックするわけです。
■地域差には注意!
ただここで注意したいのが地域差です。
地域によって平均支出に差がある一方で物価の問題も出てきます。
地域ごとの経済力の影響で収入が高いエリアは物価も高く、食費の支出も高くなる傾向があるからです。
ですから地域ごとの家計の支出と食費も見ておきましょう。
もっとも高いのはやはり東京と神奈川県を擁する関東地方で支出の平均が33万2500円、それに対して食費もやはり全国でもっとも高く8万1700円。
比率にすると約25パーセント、家計に占める食費の割合が全国平均よりも高くなっています。
ですから支出が多いという点では経済力があると判断できるのですが、その分物価の関係などで食費も高くついてしまっていることを意味しています。
他の地域では近畿地方の平均支出が30万5400円、うち食費は7万6100円。
東海地方の支出の平均が31万5100円、うち支出が7万5100円。
この比較では東海地方の方が支出に占める食費の割合が低いということになります。
ですから全体的に見て支出の4分の1を超えている場合には食費が多すぎるので節約を検討する必要がある、と判断してもよいでしょう。
20~25パーセントの範囲内の場合には日ごろの食生活を検討したうえで節約が必要かどうかを見極める必要が出てきます。
■可処分所得に対する比率からもチェック
もうひとつ注意したいのは支出に占める食費の割合だけでなく、可処分所得に対する食費の比率です。
収入をすべて支出に回すわけにはいきませんから、税金や社会保険料など日常の消費以外の支出を差し引いたうえでの所得がどの程度で、そのうち食費がどの程度を占めているのかも重要です。
この点は一般的に15~18パーセント程度が一般的と言われています。
ですから支出全体の比率が20~25パーセントの範囲内でも可処分所得に占める割合がこの水準を超えてしまっている場合は注意が必要になってきます。
しかも年齢を重ねると医療保険の充実が欲しくなりますし、お子さんがいれば将来の教育費の準備なども欲しいところ。
将来的な家計の変化も見越したうえで一か月の食費をいくらぐらいに抑えるのか、どの程度までOKなのかを見極めていくことも重要になってくるでしょう。