「卵を一つのカゴに盛るな」
投資の勉強をすると必ずと言っていいほど登場する投資の有名な格言です。
一つのカゴに卵を全部入れて落としてしまったらどうなるでしょうか?
卵は全て割れてしまうでしょう。
でもカゴをいくつかに分けていたら?
落としたカゴの卵は割れても他のカゴの卵は割れません。
つまり、投資する対象を1箇所にするのではなく、分散して投資をすることでリスクを少なくすることができるということを表現しています。
今回は、投資の基本の一つである「分散投資」についてです。
■分散投資とは?
分散投資とはその名称の通りで、投資対象を一つだけにするのではなく投資対象を複数持つことによってリスクを低減することができるという方法です。
しかし、あまり考えなしに分散をしても意味がありません。
例えば、あなたがビール会社に投資をすることを考えているとします。
今年はどうやら猛暑になりそうで、ビール会社は売上を伸ばしそう・・・Aビール会社に投資をしようと思ったあなたは、「分散投資をしないと!」と基本を思い出し、Aビール会社、Bビール会社、Cビール会社に投資をしました。
・・・いかがでしょうか?
これだと仮に猛暑がこれば全ての会社が業績を伸ばして株価も上昇しそうですね。
しかし、逆に冷夏になってしまったら?
全て株価が下落して大損です。
この場合には、冷夏の時に上がる可能性のある会社に投資をするのが重要です。
例えばホッカイロの会社に投資をしておく、などなど。
分散投資をするときは、逆の相関関係にある投資対象を選択して投資をしていくことが大事です。
他には何があるでしょうか?
例えば、日本と海外に投資をする、株式と債権に投資をする、など反対の動きをする可能性のある物を対象として検討をしてみましょう。
■時間の分散=長期投資
分散投資は、投資対象の分散だけではなく、時間の分散という考えも入れる場合があります。
時間の分散の投資収益の効果についてはこちらをご覧ください。
>>投資とは?投資初心者が知っておくべき複利運用の効果とは?
複利とは、利息に対しても利息がつく利息ということ。
投資初期には大した効果はありませんが、数十年にもなってくると大きな運用収益差を生み出します。
そしてもう一つ覚えておきたいのがドルコスト平均法。
ドルコスト平均法についてもこちらの記事をご覧ください。
>>投資の基本!ドルコスト平均法とはどういう意味?メリットは?
ドルコスト平均とは、簡単にいうと毎月定額分だけ購入をしていくという方法。
この手法を使う時によって、価格が高い時には少ない口数だけ購入ができ、安い時にはたくさん購入ができるというメリットがあります。
リスクの分散することができる手法なんです。
■積み立て投資
分散投資をしていくのであれば、コツコツと時間をかけて投資をしていく積み立て投資が良いということになります。
長期で投資をしていくことで、リスクを分散でき、収益の安定化を見込むことができます。
短期投資だと今の価格の上下が気になりますが、分散投資・長期投資だと「長期的には上がっていく」というスタンスなのでちょっとした相場の変化にあたふたする必要がなくなります。
上がりそうな株を選定して、上がったら利ざやを抜くとか、すぐにドカンと上がる株が欲しいという人には向かないかもしれませんが、堅実に資産を増やしていきたい人には検討の余地がある投資手法と言えるでしょう。
全体に投資
分散投資をする場合、先ほど例に出したビール屋のように自分で考えながらバランスよく投資をするのは非常に大変です。
それであれば、世界の株は結果的に上がるとか日本の株式も長期的には上がるということでインデックス投信のような全体に投資をする手法も人気です。
手数料も安いので一手段として検討してみはいかがでしょうか?
バランスよく投資
さらにバランスを考えるのであれば、財産四分法にしたがって、国内外株式・国内外債権・不動産にバランスよく投資するのも良いでしょう。
不動産はREIT(リート)など証券化されている不動産もあるため、マンション一室や一頭を持たなくても不動産投資が可能です。
■最後に〜分散投資と長期投資はセット
投資は怖い・・・知らないことややったことがないことは誰しも恐怖を感じるものです。
しかし、投資の基本をしっかり学んで投資をすれば大火傷をすることも少なくなります。
ただし、どんなに基本やリスクを減らす方法を学んでもリスクは0にはなりません。
自分で許容できる範囲のリスクをしっかり把握して投資をするようにしましょう。