生命保険の死亡保険金受取人は結婚したら変更すべき?子供ができたら?

あなた、またはあなたの配偶者の方の生命保険の死亡保険金受取人は誰になっていますか?

 

基本的には妻・夫というケースがほとんどなのではないでしょうか?

 

今回は死亡保険金受取人を誰にするのか?についてです。

 

■死亡保険金受取人とは?

生命保険は当然のように取り扱われていますが少し変わった金融商品で契約者・被保険者・死亡保険金受取人と3人の人物が登場します。

 

実際には重複する場合もあるので3人とはなりませんが、1契約で名前がこれだけでてくる金融商品は他にはないでしょう。

 

契約者というのはその契約の主体で権利を持っている方です。契約の変更をしたり手続きを主として進めたりする人です。

 

被保険者というのはその保険の支払い事由の対象となっている方で、この被保険者に万が一のことが起きてしまった時に死亡保険金が支払われることになります。

 

死亡保険金受取人とは被保険者に万が一のことが起きて支払われることになった保険金を実際に受け取る方のことを言います。

 

死亡保険金受取人は3親等以内の親族など各保険会社で取り決めがされており誰でもなれる訳ではありません。

 

■結婚したら変更すべき?

結婚をしたら変更をすべきか?という質門をいただくことがあります。

 

結婚する前の独身男性で考えてみましょう。

 

独身男性で保険に入ると死亡保険金受取人を誰にするかというと親になると思います。

 

親がすでに他界している場合などは兄弟や他の親族になることもあるでしょう。

 

結婚をして妻ができた場合に死亡保険金受取人を変更すべきかということですが、変更をなるべく早めにすべきでしょう。

 

生命保険の目的は「万が一のことがあった場合に残された方が金銭面で困らないようにするための金融商品」です。

 

結婚をして妻ができたのであれば、あなたに万が一のことがあった場合に一番困る可能性があるのは妻ということになります。

 

変更をしておかないと妻以外の人が死亡保険金を受け取る権利を持つことになるので注意が必要です。

 

 

■子供ができたら変更すべき?

さらに話をすすめて子供ができた場合はどうでしょうか?

 

通常はそのまま配偶者にしている方が多いとは思いますが、相続税がかかってくるほど資産があるという方であれば税金面を考えて子供に変更するのも手でしょう。

 

生命保険には「500万×法定相続人の数」という算式で非課税枠が設けられています。

 

この金額内であれば相続税がかからないということです。

 

配偶者の方には配偶者であるというだけでもっと大きな軽減措置があります。

 

法定相続分か1億6,000万円までは「配偶者の税額軽減制度」が設けられています。

 

配偶者であれば1億6,000万円までは非課税になるということです。

 

これだけ大きな非課税がある配偶者に生命保険の非課税枠も使ってしまうのは重複してしまってもったいないということになってしまうことがあります。

 

もちろん他の事情を鑑みて対処をしないといけないため上記の非課税枠の問題だけで変更をすることはできませんが相続税を気にされている方は変更を検討されてみても良いと思います。

 

■死亡保険金は原則、相続財産ではない

上記の相続税の関係以外にも死亡保険金をしっかりと考慮する必要がある点があります。

 

それは民法上は死亡保険金は相続財産に含まれないという点です。

 

死亡保険金は死亡保険金受取人の固有の財産であると民法で定めらえているため、ある方がなくなったことによって死亡保険金を受け取ることになっても、そのお金を残された相続人で分割する財産の中に組み込まなくてよいということになります。

 

もちろん原則なので悪用は避けるべきですが、生命保険を活用すると特定の相続人にある一定の金額をしっかりと残すことができます。

 

■死亡保険金を法定相続人にするのは避けましょう

死亡保険金は特定の方をしっかりと指名するのが望ましいですが、保険会社によっては法定相続人とすることができます。

 

今現時点では決めることが出来ないという場合は仕方ありませんが、手続きが面倒だから法定相続にでいいやというのであれば、絶対に法定相続人にするのは避けましょう。

 

法定相続人は相続が発生した段階で複数名いることが多くせっかく残された方のことを想って保険をかけたのに争いの種になったり、本当に渡したかった人に渡らなくなってしまうこともあります。

 

しっかり考えて指定をするようにしましょう。

 

■最後に

生命保険は相続にも大きく関係しています。

 

保険商品だけではなく保障額や受取人など細かな点まで定期的に見直しをするようにしましょう。

 

一度はいったらほったらかし・・・というのだけは避けるようにしましょう。