「掛け捨て保険はもったいないから入らない」
このように最初から掛け捨て保険を選択肢から除外している方も多いでしょう。
しかし、掛け捨て保険も生命保険を考える上で大事な選択肢の一つです。
今回は、「掛け捨て保険は損なのか?」についてです。
■掛け捨て保険とは?
掛け捨て保険とはどのような商品なのでしょうか?
掛け捨て保険という名称の保険は存在しておらず、一般的に解約返戻金がない商品、または少額の商品のことを総称して掛け捨て保険と呼んでいます。
解約返戻金とは、生命保険契約を解約をした際に契約者に戻ってくるお金のことで、この解約返戻金が多く戻ってくる設計の商品を総称して貯蓄系保険などと呼んだりしています。
■なぜ掛け捨て保険は損だと思ってしまうのか?
なぜ掛け捨て保険は損だと思ってしまうのでしょうか?
それは何も得るものがないものにお金を支払っているからと思い込んでいるためでしょう。
生命保険は万が一のことが起きた時に経済的に困らないように保険金などを受け取ることができる金融商品です。
万が一のことが起きない限りは得るものがない、だから掛け捨てだと言われています。
しかし、実際には設定した保障期間内で万が一のことに対する経済的な保障を受けています。
保険は名前の通りあくまで保険です。
掛け捨てではなく、万が一の時のための保障を購入しているということをしっかり意識しましょう。
■掛け捨て保険こそ保険の基礎
最近では、医療保険などの方が人気であり医療保険には入っているけど生命保険には入っていないという方も多いようです。
生命保険に入るか入らないかはその方が負っているリスクや持っている資産、考え方によって変わってくるため必ず必要かどうかは断言できませんが、「今、あなたに万が一のことが起こるとお金の面で困る人がいる」のであれば必要であると言えるでしょう。
万が一のことが起きてもその分のお金があるとか、困る人は全くいないのであれば医療保険などだけで足りる可能性はあります。
保険はもともと死亡保険から様々な他の商品に展開をしており、生命保険を考える上でもっとも基本となるのが生命保険です。
そして生命保険の中でももっとも基本的な保険商品が、死亡保障の保険(掛け捨て保険)なのです。
■貯蓄系保険ではダメなのか?
「でもやっぱりお金が戻ってきた方が良い、だから貯蓄系の保険が良い」
このように考える方も当然いらっしゃるでしょう。
生命保険の貯蓄系商品は現在は予定利率が下がっており昔ほどお金が貯まるということを実感しにくいかもしれませんが、「保障を確保しながらお金を貯めることができる」「貯まる金額が明確なのでライフプランを立てやすい」などのメリットがあります。
しかし、お金が貯まる分、貯蓄系保険は保険料が高くなっています。
あなたに万が一のことがあった場合に必要な保障額が貯蓄系保険で賄えるのであれば良いかもしれませんが、通常一人の方に万が一のことがあり、残された方が最低限困らないようにするためにはそこそこ高額な保障金額になります。
この高額な保障金額を貯蓄系保険だけで賄おうとすると高額な保険料になってしまいます。
生命保険の基本的なニーズは保障です。
必要な保障額を適正な保険料で賄うためには、保障系商品(掛け捨て保険)も組み合わせて使う方が良いでしょう。
「掛け捨ては損」などの思い込みを捨てて専門家に相談をしてみることをお勧めします。