できれば居宅で介護を行いたい、受けたいと考える人もいますよね。
現在居住している住宅が持ち家の場合なら、居宅介護を望みたい人も多いのではないでしょうか。
今回は居宅で在宅介護を行う時の費用について考えてみましょう。
■介護サービスは介護保険で
在宅介護では、介護サービスを利用するときにかかる費用の他に、介護用品を購入する費用やスムーズに介護を行うためのリフォーム費用などが必要となってきます。
介護サービスを受けるときには、介護保険を活用します。
在宅介護でもデイサービスやショートステイといった施設を利用するサービスの利用も可能ですし、家事援助や介護援助をうける居宅サービス、訪問介護を活用することが可能です。
介護度によって介護保険を利用しながら受けられるサービスの範囲は異なりますが、要支援1の方で月々5,032円、要介護5の方で36,217円(2019年10月時点、自己負担額1割の場合)で一定の介護サービスが利用できます。
複数のサービスをこの範囲内で組み合わせて利用することが可能です。
■まずは目安として必要なのは100万円
介護サービスにかかる費用は思ったよりも安いと感じるかもしれませんが、ここにその他の費用を足していく必要があります。
例えば、車椅子でスムーズな生活が送れるようにリフォームをする、寝室を1階に移動し介護用ベッドを購入するといった費用が必要になるケースもありますよね。
介護初期にかかる費用として、2018年に行われた調査では平均で980,000円ほどかかっています。
介護リフォームの費用や、介護施設に支払う一時金などが必要になるためです。
一時期に1,000,000円ほどの費用出費が必要になると考えておくとよいですね。
■月々の費用にも注目
本格的に介護リフォームを行おうと思うと、さらに費用負担は増えますよ。
次は月々にかかる費用に目を向けていきましょう。
介護サービスにかかる費用の他に、介護用品を購入したりレンタルをしたりする費用が必要となってきます。
たとえば寝たきりの状態になればおむつ代や介護ベッドのレンタル費用、床ずれ防止用具のレンタル費用などが必要となりますね。
おむつなど日常生活に必要な消耗品だけでも月々30,000円ほどかかるケースも見られます。
介護ベッドや床ずれ防止用具などの福祉用具は介護保険を活用し低価格でレンタルすることが可能ですが、これもレンタルする器具が増えればそれだけ費用負担は増えます。
車椅子なら毎月500円程度、介護ベッドなら600円程度など1つの費用は低価格ですが、積み重なると数千円~10,000円ほどかかるケースもあります。
■費用だけではなく介護時間なども考慮
実際に介護にかかる費用以外にも、介護を行う人がどのくらい介護に割ける時間があるかも考える必要がありますね。
例えば子どもが介護を担ってくれる場合でも、子どもの精神的な負担や時間的な負担にも目を向ける必要が出てきます。
金銭以上の負担が掛かるかもしれません。
この負担を避けるために介護保険サービスで利用できる範囲以上のサービスの利用を検討する必要がでることがあるでしょう。
ある程度介護を受けなくても自分で生活ができるようであれば在宅介護は費用負担が少なくて済みますが、介護の必要度が高まるほど在宅介護の費用負担は高まり、さらに介護を行う人にかかる負担も高まっていくことが分かります。
また年金収入を含めた収入が多い方や資産がある方は介護保険を活用しても自己負担が2割~3割と高まることもあります。
この場合は単純に介護サービスにかかる費用は2倍、3倍となります。
最も高い方(要介護5、自己負担額3割)で月々108,651円の自己負担が必要となります。
日常生活を送るための消耗品や食費、福祉用具のレンタル料などを考えると、月々だけでも200,000円ほどの費用を見積もっておきたいところです。
■まとめ
いかがでしたか?
介護なんてまだまだ先の話、自分には関係がないと思っていませんか?
介護は突然やってきます。
親が70歳を超えている方、ご自身が70歳を超えている方は周りの人としっかりと話し合って対策を練る必要があります。
介護初期にかかる100万円などの費用が不安な方は民間の介護保険などを活用することを検討してみると良いでしょう。